台高山脈北部の隠れ名山を訪ねて 桧塚〜明神平〜伊勢辻山・馬駈ケ場〜木梶山
奈良・三重県境(五万図=高見山・大台ヶ原山)
山行日 : 2001年10月20日
千秋林道〜桧塚〜明神岳〜国見岳〜伊勢辻山⇔馬駈ケ場〜木梶山〜千秋橋

関西の山100 桧塚・明神岳
干支の山 馬駈ヶ場(1,316m)
桧塚奥峰(1420m)から桧塚
 
青田から木屋谷川に沿って 千秋林道を入っていきます。気持も景色も薄墨色の5〜6年前の冬に訪れた台高北部の山で、この時は和佐羅滝の左岸の崖を攀じって二股-三度小屋-伊勢辻山(ハンシ山往復 )-明神平-薊岳(木ノ実ヤ塚往復)-大又でしたが赤ゾレ山付近へは 時期を変え再度行ってみたいと思っていた。三ッ塚から行きかけ途中積雪と時間が気になり引き返した桧塚方面が心残りでした。
無名1394m峰から明神岳に向かう・前山と水無山

明神方面は吉野側の大又からが一般的で飯高町側の千秋林道は遠いなぁ…の印象で考えていなかったが折角行くなら 周回出来ないかと表記のルートで実践です。しかし桧塚のお決まりベスト写真奥峰から数10m程下ったところからの桧塚)や馬駈ケ場の尾根等を、うっかり消去してしまい画像復旧できず其の続きからです。
三明神岳付近のブナ林から望む桧塚奥峰

イイよ〜と聞いていたマナコ谷が何処かも知らず、少し手前の誉橋を渡り50m程先の造林小屋 (事務所)前に駐車し出発です(AM7:10)。右へ登っていく林道と・ゲートのある直進林道があり、谷沿いに桧塚へ登っているので此れを辿ってみます。紹介のマナコ谷コースも直ぐ尾根コースとのことなので間違っていても 右隣の尾根だろうとの軽い気持です。この林道からも離れて 急な尾根を直登して行きますが踏み跡も薄く無いに等しいが、藪漕ぎはなく先の林道終点に出ましたが先に道なく谷も尾根も 苦闘を強いられそうですので林道を右手に下って行き、 どうやらマナコ谷から続く道に合流して 此処からはテープ・案内標のコースです(AM8:10)。
三ッ塚から明神平へ下る
 
5分程で造林小屋に着き杉の林に入っていきますが直ぐに稜線に向う尾根に出るとススキの原を抜け クマザサの茂る展望絶佳の草原散歩道となり、 三重県側の山々が顔を出し、 とりわけ池木屋山方面は魅力的な山容を並べていますので次の目標としたいところです。僅か進む間に足元はビショビショです。此処から桧塚までは後から来る登山者の露払い役になってしまいました。桧塚分岐(AM8:35)から 先ずは桧塚へ往復です。桧塚〜三ッ塚への ブナ等広葉樹の紅葉は素晴らしく 今年最後の艶姿を見せてくれます。桧塚(1402m AM8:40)は林の中で展望はいま一つ。岩屋口への尾根かヌタハラ谷から登ってくるのは踏み跡が通じています。引き返して足元濡らしながら 奥峰に向いプロムナードを辿ります。
明神平と水無山

桧塚奥峰 (1420m AM8:50)も林の中ですが県境を除く純粋の三重県内の最高峰です。山頂の直ぐ手前から桧塚を振り返れば、いい感じの草原尾根の山容が望めて写真にはベストポイントですが折角撮っていた写真は…うっかり消失。 394mピーク(AM9:00)前後から明神平へはブナの林とコササの草原と季節には石楠花も見事と思われる尾根の散歩道。池小屋山方面への縦走路分岐への登りのブナの原生林も綺麗ですが明神岳(1432m AM9:20)周辺のブナも見事で、 カメラ構えた人を数人見かけますが、陽が差し込んでくるまで大分待たされそうです。三ッ塚分岐(AM9:30)へ降りて来て多くの登山者に逢いますが薊へ向う人ばかりのようですので殆ど大又から登ってきたのでしょう。明神平の(馬酔木)あしび山荘(AM9:40)着だったので30分ばかり待ては此処で 奥山谷から登ってくるMLメンバのえびちゃんに逢えたかもしれません。
明神平のあしび山荘

明神平へ次々到着の登山者も此処から三重県境の台高北部の尾根へと、水無山目指す人は今日は未だ無さそうです。静かな山旅が堪能出来そうです。辿ってきた桧塚を目やりながら水無山(1441m AM9:50)に到着。 「いせ一貫堂」のプレートは室生や県境の山々でも馴染みで、記念プレートも此処まで徹底すれば立派な山岳巡礼者ですネ。
ウシロー((1410m)は絶好の展望岩場が大又川側にあり薊岳の方に大峰山系、 とりわけ大普賢岳〜山上ヶ岳辺りは目立ちます。再訪したい一念もありますので。ウシローから僅かの上り下りで国見山(1419m 2等3角点 AM10:15)の石庭のような山頂に立つ。天気晴朗、展望上々で快適この上なし。 此れより緩やかな起伏にピークを置く赤ゾレと伊勢辻山へは再訪したいコースの一つでした。下山にあわせて伊勢辻山へ向かうが、馬駈ヶ辻から未走破の木梶山経由ですので藪漕ぎやルート間違いを考慮すれば3時間以上の猶予は 必要かと考え時間限定で進みます。このコースは5〜6年と寸分変わらぬ姿で再見します。馬駈ヶ辻付近の感じ、周辺で唯一??の山上池の赤ゾレ付近の踏み跡程度の道。馬駈ヶ辻(1320m AM10:30)には台高北部縦走路を示す道標があり北に向っては行き先名の無い↑矢印があります。今回は、此処に戻ってきて ↑矢印に向って北への尾根を進み下山します。
国見山(1419m)山頂!

伊勢辻山側へ10分も下れば小池に着きます。比良山の小女郎池にあやかる訳ではないけれど赤ゾレ山の別名から小女郎池(仮称)としておきます。氷と雪に閉ざされ 周辺のササの青さだけが目立った前回の暗いイメージの女郎は何処へやら、 今日の姿は総体に錦糸銀糸を纏った花魁(おいらん)のように華やかです(AM10:40)。池からの踏み後は赤ゾレへの尾根を西に捲いて北から通じているが幾つかの踏み跡が有る為に薄くなり判りつらい道です。 私はススキヶ原の山頂へ藪を突いて登りますが体力を浪費するだけですので正規 ?の踏み跡を辿ってください。但し西方からの直登は山名のザレ場を避けて登る必要が…復路は此処を下ったが、赤ゾレ(特に山頂)のササの原っぱからは尾根の西(左端)に沿っていれば迷う事もないでしょう。
国見山から明るく開ける赤ゾレ〜伊勢辻山

伊勢辻山が草原状の明るい頂きススキの銀波で輝いて見えます。 伊勢辻山(1290m AM111:10)はススキと芝生に囲まれた草原のピークで展望の楽園です。この素晴らしい周囲の景色・遠望を贅沢にも、たった一人で満喫します。西面の大峰方面は大普賢岳〜山上ヶ岳が目立ちます。 遠くに見える雌雄のピークは金剛山〜葛城山、高見山からハンシ山へは以前行った。伊勢辻山では伊勢辻よりハンシ山を往復して明神平へ縦走したが、その高見山方面に倶留尊・局ヶ岳の緩やかな山容や起伏する室生火山群の山々も望めます。 修験行山〜栗の木岳等は今後行きたい山々です。思ったより早く到着した伊勢辻山でしたが此れから未知のルートです。山が大きく深い分、余裕が欲しいので引き返します。赤ゾレ山(1300m AM11:20)の山頂に戻って備え付けの温度計を見ると気温28℃。馬駈ケ辻(AM11:35)からは 初めのうちは思った以上に良い道が続きテープも有るが、 ササやススキが覆ってくると踏み跡は段々薄くなり、所々で見失いがちとなりますが先ずは稜線を外さずに進むことにします。池を思わせるほど大きなヌタ場を過ぎれば 尾根は広くなり注意が必要なコースとなり馬駈ケ場(1316m AM11:50)に到着です。快適な雑木林の尾根に良い道が続きます。
赤ゾレ山直下の小女郎池 ?

突然草原に飛び出すと木梶山は素敵な衣装をまとって私の前に現れます。藪漕ぎ覚悟のコースだったのでテープや登山道と書いた太いテープで拍子抜けの感があるが、 藪っぽい道に慣れていないとチョッと厳しい ルートになるかもしれません。しかし此処もまた素敵な隠れルートの一人占め山行となりました。馬駈ケ場から木梶山へ向う事にする。馬駈ケ場から木梶山分岐までの間、息つく暇内ほどで、 小ササの草原(ヘイベイ平)や北面伊勢辻〜雲ヶ瀬山〜高見や室生火山群の山々の展望と自然林の続く プロムナードで 紅葉の今時期はベストですよ。木梶山分岐(PM12:00)から直進して千秋林道へは 長い林道歩きを考えなければ30分とかからず林道に降り立てる筈?。左折して続く木梶山へはテープが誘導してくれます。
赤ゾレ(1300m)から国見山・薊岳

木梶山(1230m 3等3角点 PM12:25〜PM1:00)は展望のない樹林帯の 中だが山名プレートは多い。山頂の三角点から梅尾へ向う尾根は最初テープが変なところにあるな?…といった感じで、左方の賑やかにテープが続くコースを採って下降し始めたが右方向の山波が高いことに気付き、 此れでは予定の千秋どころか何処へ降りるか判らないと慌てて引き返します。テープは続き「登山道」のテープもあるが木梶川の鳴滝辺りの尾根に下っていく様で、オフコースの登り返しは堪えます。私のタイム記録に珍しく"〜"が含まれているのは休憩ではなく迷った挙句の出戻りタイムなんですよ!!。 山頂より最初に見つけたテープの方へ下ると、先に赤テープと太目の「登山道」テープがあり ヤッパリこっちだったのかと一安心。
伊勢辻山から国見山

木梶と梅尾の中間にある無名ピーク(PM1:10)からは北側が開けて雲ヶ瀬〜高見山は指呼の間、高見山トンネル飯高町側の赤いループ橋が目下に見えます。 此処から続く植林帯の道は荒れてはいますが、途切れがちのテープは何とか追尾出来ます。素晴らしいコースを歩いてきただけに暗く荒れた尾根道は捗らず随分長い時間かかったような気がする。梅尾(1118m PM1:25)への登りで 右直ぐ下に林道が見えた。もう林道へ降りてみようかとの誘いも 受け入れるところでしたが尾根は並行しているようなので我慢して登ると5分と掛からないところが山頂でした。梅尾からの尾根筋を辿ってみたが、途中で次々現れる 寸断された林道に嫌気がさしてきて、どんどんと菅谷川よりへ急な藪を下りながら廃道?を見つけて下るが、林道も途切れ谷筋が見えるところまで下ってしまいました。谷の様子そのものがよくわからないが思った以上に大きく険しい谷のようで、降り立ったら「登れません」「降りれません」と言って未だに 谷を右往左往しているかも知れない。
ヘイベイ平・木梶山の木原谷側一面に拡がる絶景

尾根からも 谷からも離れたガレた山肌を縫って獣道を辿ります。鹿になったような心地で、ガレ場や小谷の岩場を飛び越えたり、へつったりしてヤッと谷の手前に林道を認めてホッとしましたが此れも曲者でした。山肌を大きく削って延した林道なので スンナリ降りれる場所がありません。うっかりしてれば岩を抱いて落ちるかも…正解?はずっと手前で谷川へ降りれば林道だったのですが、林道が延びていること知らず滝瀬の音と大きな堰提を見るだけでは状況判断出来ませんでした。 幸いコンクリート吹き付けの場所があり、この横の溝状の谷の深い藪に潜り込む様にして林道に降り立ちますが、が戻る為の千秋林道は谷を隔てて対岸です。こんな事なら梅尾から忠実に尾根を辿って岳山に向った方が良かったかも… 三角点なので踏み跡くらいあったかも…菅谷川の林道に降り立ったところは千秋林道側に広い駐車スペースのある菅谷川の取り水口のある処ですので、此処から向かいの林道を見ればコンクリート吹き付けの場所は判りますので、 なぜあんなところへ…と驚かれることでしょうね。直ぐ其処に戻ってくるべき場所が見えているのに延々と林道歩きで 逆方向へ戻り千秋林道との合流点に戻ってきます。鉄製ゲートのある林道で八幡谷橋の側でした(PM2:45)。
室生火山群を背景に姿を見せた木梶山

やっと振り出し地点へもどります。木屋谷橋(PM3:00)〜つづ田原橋には左から斜瀑を伴った数段の15m程の滝が千秋橋 (PM3:13)の林道カーブの谷川には6m程の直瀑が掛かっています。誉橋を渡った直ぐ先(50m程)が造林小屋事務所(PM3:35)の駐車地点です。本来予定のマナコ谷出合いは此処からどれほど先だったのでしょう。 今度は正規??コースで行ってみたいものです。久々の早起きの寝不足と、梅尾からの最後の苦闘の疲れはありましたが、桧塚〜明神平〜伊勢辻山〜木梶山は先の疲れを払拭させて余りある素晴らしい山行となりました。 梅尾へは林道経由で比較的楽なコースがあるようですが知らなかったばかりの愚行をやってしまいました。
   丹波霧の里HOME
inserted by FC2 system