降臨伝説の山は恋の成就と夫婦和合を!!・・・北神戸・雄岡山〜雌岡山(神出富士)
兵庫 阪神 (五万図=神戸・高砂)
おおらかな古代性信仰の山 : 雄岡山〜雌岡山 H15年02月08日

ふるさと富士: 雄岡山(播磨富士・明石富士・神出富士) 241m
     雌岡山(播磨富士)  250m
校歌・故郷の山 高塚高等学校 ♪茜さす 神出の丘に並び立つ 雌雄の山を仰ぎみつ…♪
        のじぎく養護学校 ♪雄岡や雌岡 望みつつ 風強き日も 雨の夜も ……♪

神戸藍那から木見に出て22号線を西に走り出すと、住宅地の拡がる丘の向こうに雄岡山(雄子尾)と雌岡山(雌子尾)の姿が見える。他に目立つ山も無い宅地と田園風景が拡がる中に約2kmを隔てて立つ標高 ・山容共によく似た二つの独立峰は遠くから眺めると子牛の角の様に見えた事から男牛・女牛といわれたそうです。素盞嗚尊(スサノオノミコト)と奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)が降臨され、 大己貴命(オオナムチノミコト・大国主命)はじめ多くの神々がお生れになった事から此処・神出(かんで)の地名があり、 ユニークな名前はオッコウサン(おっこさん)・メッコウサン(めっこさん)と呼び、何処までも男・女で表現される愉しい伝説と神話の古代風土記の丘。
雌岡梅林からの雄岡山(播磨富士・神出富士・明石富士)

神奈備の山・雌岡山には、 おおらかに陰陽石を祀る 「恋の成就と夫婦和合」その名も裸石神社「らいせきさん」や姫石神社があります。丘陵の中の二つの山は何処からも良く目立ち山容の美しい山は一対の夫婦として例えられていますが、 珍しい一対のふるさと富士山としても親しまれています。二つの山は明石海峡を航行する船からの目標になり播磨富士とも神出富士とも呼ばれています。雄岡山は明石富士とも呼ばれるようです。 普通、神出富士と呼ぶ場合は神出神社のある雌岡山では無く、高さで劣る雄岡山を指しているようです。


神出の神話と二つの富士 雄岡山〜雌岡山   2003年2月08日

天気予報で昼には雨になるというのでドキュメント整理等していたが、妻も予定が無く手持ち無沙汰。ドライブがてら三木市内の海鮮レストランに昼食をと誘い、食事前の散歩には打ってつけのコースを用意して出掛けます。 22号線の神戸電鉄緑ヶ丘駅前を左折して、神出町五百蔵のバス停・雄岡山口 に先ず登ってみます。 以前・南側の西盛交差点から日吉神社から登り雌岡山へ、少し引き返して愛宕山から古神町へと北側の集落内を通って、大皿池へ帰り再度、雄岡山へ登り返して高尾台から南側へ下った事が有ったが、 北側から登山道が有るようです。
雄岡山口バス停付近から大皿池を経て雌岡山 (播磨富士)

僅か2km程だが車移動・比高も8〜90m程の丘です。西神ニュータウン〜明石海峡への展望と、梅林の開花も楽しみだったのですが、梅は未だ早過ぎたようです。五百蔵のバス停 ・雄岡山口からは田圃の先に、釣り客の並ぶ大皿池と、その向こうに金棒池を隔てて雌岡山が見えます。金棒池には伝説と古墳が、 優美な姿の雌岡山山頂付近の御旅所」は神奈備の岩座と思われますが古墳のようにも見えます。降臨伝説を持ち雄岡山は播磨富士・神出富士・明石富士と呼ばれて親しまれ, 雌岡山も播磨富士ですが山頂に祀られる神出神社は雌岡山牛頭天王」で地元では雌岡山より天王山と呼ばれているようです。梅の開花を楽しみに訪ねてみた雌岡梅林の下方にサイロや蓄舎が見えているが 車道を歩いていると「天王山牧場」の名があり牛・豚等が飼育されている様です。夫婦和合の神様として神出神社に祀られる素盞嗚尊と奇稲田姫命は、薬草を採取して住民の病苦を救い、農耕を指導奨励された神徳から農耕の神・牛頭天王として祀られているようです。また、先走りし過ぎてしまいました ・・・(^^; 五百蔵のバス停から県道へ出ると向かいの坂を緩やかに登る山道がある。突き当たりの民家の左横手に雄岡山山頂への尾根道があり、右手はフェンス寄りにグラウンドへ降りて行く道です。
雄岡山山頂の石祠

良く踏まれた山道は15分程で山頂なので、歩き慣れない妻にとっても、 歩くのが嫌になる前に目標完遂です。山頂は伐採された広場の中央に木花佐久屋比売命(このはなさくやひめのみこと)を祀る雄岡神社の石祠があり「帝釈さん」と呼ばれています。美人神を祀るこの祠は、 旱魃の時・石のご神体に墨を塗ると雨が降ると伝える雨乞いの山です。南の樹間からの展望はいま一つですが雄岡山は標高僅か241mですが一等三角点ですので満足度もプラス。 西神戸から明石海峡大橋〜淡路島や須磨方面の展望は神出神社前の展望台からの楽しみに、同じコースを県道に戻れば西正面に見える雌岡山に向かいます。き出せば釣堀と化した大皿池から隣の金棒池を見て「○○歯科」右角を北に進めば左手に登山口標識や金棒池伝説の絵説明板が建っていたりします。此処から舗装の急坂が 「雌岡梅林」を抜けて神出神社下まで通じていますが、時間を取りたくないので此処は下山道とします。
雌岡山の天王さん「神出神社」

参詣用車道は鳥居から神出神社の側まで通じていますが、西の広場に駐車して歩き始めますが、 広場からは直ぐに古墳とも思えるにい塚御旅所です。中央付近の祭祀跡の様な巨石群を岩座とする雌岡山は神奈備の山ですね。此処で車道からの登山道と合流しての参詣道は南側から石段を登り終えれば、 立派な社殿の建つ神出神社"天王さん"です。此処は雌岡ですので奇稲田姫命を主祭神として素盞嗚尊と大己貴命(大国主命)を祀ったと思うのですが 素盞鳴命を主祭神として祀る天王社で、此処が雌岡山(250m)ですが山頂としてのポイントは何処でしょう。社殿の裏手の高みでしょうか?。社殿の前の展望台に立てば南に180度拡がる景観は素晴らしく、 西神のニュータウン・明石海峡大橋の橋桁が浮び淡路島も見える。兵庫南部地震により泉佐野市に県外疎開していた頃・学生だった息子の通学が大変なので学校近くの名谷にワンルームを借りていた。 西神ニュータウンや学園都市付近の高層ビルが、その直ぐ向こうが名谷と説明するうち、何度か田舎からも西脇市・小野市から息子の所へは175号線をニュータウン〜前開へ通った事を妻も懐かしくも思い出しているようです。 社殿東に廻ると「御旅所」や金棒池への車道を分けて、北へと石段を下る道は「姫石神社・裸石神社」を示しています。杉林の中の社殿への分岐に"雪割草が群生している"との説明板が置いてあったが、 今の時期にその草花と思しき気配さえありません。ワザワザ盗掘を誘う看板のようで、このような状態が残念ですネ。 薬草を採取して住民の病苦を救った、その神様のお膝元に最近まで生えていたというカタクリの花も見かけることなど無い様です。裸石神社(ライセキさん)に立ち寄ってみてください。 ガランとした拝殿に何も無く裸石の名に興味のある方は後の本殿に足を運んでください。
雌岡山・姫石神社

此処と姫石神社は、古代のおおらかで素朴な信仰が残る不思議の世界です。裸石神社は、もともと姫石神社と同じく玉垣で囲われた中に御神体が置かれていたようですが、大正期に拝殿・本殿が建てられています。 本殿の中には男根と女陰の形に整形されたリアル過ぎる石が置かれ、無数のアワビの貝殻に埋まるように安置されています。恋が成就することを祈願して貝殻に二人の名を書いて奉納する習わしのようです。 拝殿前の石段を降り姫石神社に行ってみます。神社といっても四つばかりに分かれた自然石(此れも岩座か?)を玉垣で囲っただけの素朴さで、ライセキさん(裸石神社)も此の様に祀られていたと思われます。 神出神社の駐車場へ戻って広い舗装道の東尾根を下ります。優美な雄岡山の姿が丘陵のなかに際立って目立ちます。金棒池の所在が分かる頃には雌岡梅林が南面の山裾に拡がってきます。 ほんの僅か数本だが一部に花を咲かせた数輪も余り目立つ程でもなく!!??未だ蕾を膨らませかけているが開花を思案中なのか!!?梅林を前景に雄岡山の写真をと思っていたがお預けです。下旬まで待ったほうが良かったのかも。 金棒池からは天王山牧場下を経由して 県道沿いに駐車場に戻ります。鳥居下から神出神社への車道利用時間の門限は16:00迄です・・・遅くなったが本来の目的地は2年程前から時々立寄る、三木市内の海鮮レストラン。 帰りは呑吐ダム経由で箕谷へ出るが、食後の散歩は片道1kmのコースを用意しています。平井山葡萄園周辺で、秀吉の軍師・竹中半兵衛の墓と北へ約1km愛宕社の横から三木城攻めの本陣跡・平井山へも寄ってみます。
====================================================

金棒池  兵庫丹波にも甲賀山と明治山という二つの小さな山(150〜170m)があって、鬼が担いできた話が有りますが、此処の二つの山にも昔、鬼が雄岡山と雌岡山を持ち上げようとしたが持ち上がらず、金棒を投げ捨てたその痕が、 金棒池になったという話があります。池端の案内板には別の話が絵付きで書かれています。二つの山が高さを競って、金棒を芯にして土を盛って高さ比べをしていたら、雄岡山の金棒が折れて2つの山の間に落ちた跡が 金棒池になったとの伝説です。なぜ金棒だったのか・・!!こんな話に詮索は無用でしょうか??
雌岡山・神出神社境内の展望台から西神中央や明石海峡大橋を望む

明石のいわれ 雄岡と雌岡は夫婦の神であったという。 男神の雄岡が小豆島に住む美人神に恋をして、それ以来・毎日のように大鹿に乗って海を渡り、会いに行きますが或る日・淡路の猟師が大鹿を見つけて矢を放ちます。射られ鹿と男神は共に海に沈んでしまいました。 この鹿の血が赤い石となり、此れが赤石⇒明石」の地名の起こりといわれています。
  丹波霧の里HOME
inserted by FC2 system