表六甲かつての名谷 西山谷/  裏六甲隠れ谷三ッ下谷〜天狗岩〜石楠花谷
阪神六甲(五万図=神戸)
Tかつて大月地獄谷に次ぐ表六甲の名谷:西山谷  2001年09月01日
U三ッ下谷〜天狗岩 〜石楠花山〜烏帽子岩〜双子山  2001年07月28日
西谷大滝(約17m)

前日から生憎の空模様だが午後からの雨なら先ずは大丈夫と、先週 石楠花谷〜裏地獄谷をご一緒した「山と小箱」のみーとさんを六甲へお誘いした。すっかり沢歩きがお気に入りの彼女のために嘗て名谷!!??の 西山谷なら堰提で遡行が何度も中断されるが、今でも少しは当時の素晴らしい渓谷美と遡行の魅力を失ってはいないだろう?と淡い希望を抱いて十数年振りの再訪。目的の滝の崩壊等で壊滅的な大月地獄谷を失って 西山谷が今は有力候補です。住吉川支流の西谷川流域には六甲では最も有名な大月地獄谷があり 峻険な壁にかかる険悪なF1・F2 (F1すぐ下には1966年の豪雨で出現した5m滝が有ります )があり男性的な谷として西谷川流域には地獄谷に比べて女性的と評される西山谷が有ります。地獄谷への分岐を右に見て左へカーブする車道からは最近?迄水車小屋があったのですが、寒天橋への道を辿るのが普通ですが、 表側からの山や谷へのマイカー登山は駐車場が少なく不便なので、おおかたは山上ドライブウェーから下って登るのが六甲の私のやり方になっています。

T :油コブシ〜寒天橋〜西山谷〜ケーブル山上〜麻耶山史跡公園  2001年09月01日

下降点はオリエンタルホテル裏の天狗岩尾根下降を考えますが、 西山谷へは直接降立つケーブル六甲から寒天山道を下ることにします。ケーブル六甲の天覧台から道標に沿って油コブシ道を辿り途中から寒天山道をとります(AM7:35)。下りきったところが 千丈堰提で西山谷の入り口でも有り便利です。 が渦森公園(AM7:50)手前から左へとって谷へ下る急な道があり千丈大堰提50m程上流に降立ちますが、蜘蛛の巣払いの篠竹を折り 取ろうとして手を切ったらしく血がなかなか止らない。此れを手始めに最終的には結構あちこち擦り傷だらけになり、おまけに道まで間違ってしまったようです。二つばかり堰提を越して第三堰提の上部でみーとさん今年 2回目の沢靴に履き替えです(AM8:40)。歩き始めれば直ぐに4mばかりの綺麗な滝が現れます。
第三堰提越え最初の8m滝を中央から

直接滝芯を 登ったり壁をトラバースしたり、一応の沢登り必須条件をこなしながら次々と小滝を直登していきます。さっそく現れた5〜6mの滝を登ってみたいというので手始めにザイル確保で シャワークライムです。この滝は左手の階段状に踏み跡があるが、滝芯によって濡れた岩場を登ります。両岸に岩壁のチムニー状の奥にかかる滝7〜8m直瀑は左側の落ち口手前の壁を登れそうですが上部抜け出る処が不安定。 此処はパスして階段状の続く左側巻き道を採ります。この滝が意味深のふるさと滝です。小滝の先に現れる大堰提はこの谷の核深部にあって遡行を中断させるものです。右岸急な崖をロープ伝いに捲き上がる、一般登山者には 危険な程の高捲きですが、ゴルジュと小滝の続く良いところですので堰提からは直ぐ谷に向って下降します。そしてこの谷最大の美しい西谷大滝(15m)に懐かしの再見です(AM9:55)。

左岸の 岩壁は何時だったか数 10年前の事・右手10mほどをシュリンゲ2本をアブミ代わりにして、直上し中段へでてバンドを落ち口へトラバースしての岩登りルートとしても面白い。一般ルートはあくまで左手の階段状を落ち口に向います。今日は、 やる気のパートナーが一緒ですので一般捲き道の右手滝芯に沿って飛沫を浴びながら水流の中に足場を求めて落ち口へ向います。何時もは軽登山靴ですので、これほど滝芯よりを登るのは初めてです。続く小滝や藪っぽいゴウロの中をすすみ8m程の滝が出てきますが 左の巻き道には目もくれず!!「登りましょうよ」の目の合図でザイルを袋から出して、先ず滝正面に向かい右手から 飛沫を浴びて斜上し、そのまま直上して岩のテラスでしっかりした立木利用の確保準備。合図をして彼女の出撃ですが、沢靴でもあり濡れるに臆せぬ素晴らしいファイトで頭からのシャワークライムを 楽しんでいるようです。
第三堰提越え最初の8m滝を中央から

此の後の遡行は/お粗末な顛末です。 何時も堰提に泣かされ失敗しますが今回も小さな堰提上で分岐する谷を右に入りながら水量や谷の荒れ方で違うような気がして左谷を入ると直ぐ目の前に赤っぽいレンガ造り??特殊なスリット堰提が見えます。スリット堰提の奥へと 右から天狗岩尾根に向う道だろうか、赤ペイントがあり、迷わずスリットを潜って直進しますが此処で既に谷道を間違えていた??。次に現れる堰提越えに難渋してやっと谷下へ降りると、なんとも小さな谷が分岐しています。 両方偵察してみましたが此の先・谷歩きの魅力は無くなり靴を履き替え右岸を尾根に向って 突き進みす。この尾根も失敗だったようです。この後まだ2〜3の滝を見残して違った谷に入った為か感情も散漫としており、注意すべきポイントを見忘れていた様です。 赤レンガ風のスリット堰提を何処かのHPで見たような記憶から、 勝手に此方だと思ったのが間違いだった!?。
ふるさと滝(約8m)にて

尾根筋に踏み跡が 現れますが工事用?の道だったようで、 何処かの別荘かロッジの裏へ出てきたが正面へ出られず 敷地の下を廻り込んで天覧台へ通じる一方通行の車道へ出た。数10m先は朝の出発点、油コブシへの下降点です(PM1:10)。 六甲山上駅から見える摩耶山の山頂と史跡公園へは新装なった麻耶ロッジ(HOTEL DE麻耶)でお茶にしようと寄ったが、まだCLOSEで HOTEL正面玄関下の喫茶ROOM? も明日(9/2)から開店。今日は天気以外サッパリついていません。摩耶山の3等三角点から旧天上寺跡の史跡公園まで往復し、帰りがけに前ノ辻のJAZZ喫茶によって明日の行動を打合せして下山します。
写真は み〜とさんの「山の小箱」からの提供です。


U炭ヶ谷道〜三ッ下谷(右股)〜天狗岩〜石楠花山〜烏帽子岩〜双子山   2001年07月28日

西宮・磐滝から六甲ドライブウェーに駈け上がります。 六甲牧場を過ぎ西六甲ドライブウェーをさらに西に辿ると獺(カワウソ)池から マムシ谷を経てシェール道に出るハイキングコースが有りますが、 その手前300mには石楠花山に通じる林道(一般車乗入禁止のロープ有)入口で此処から炭ヶ谷への森林浴コースが延びています。 暑い時期ですので沢筋を歩きますが今日のコースは此処から炭ヶ谷道を神戸電鉄谷上へ下り、山田道(森林公園への森林浴コース)から三ッ下谷を辿ります。二年前(H11.7.14)と同じ時期、同 じコースで石楠花山 〜双子山に向います。
西六甲ドライブウェー直ぐ下にはカワウソ池が…

ドライブウェー脇には炭ヶ谷道・石楠花山への(森林浴コース)道標があり (AM9:15)此処よりロープのゲートを跨いで石楠花山の展望台へ続く林道を進むとすぐ炭ヶ谷道への分岐道標に従います。 5分程で双子山と烏帽子岩を分ける分岐鞍部に着きますが、正面に下っていく道が炭ヶ谷です。少し進んだだけで小さな流れの 谷沿いの道となりますが荒れたガレ場で整備されてはいるが浮石に乗って滑らないよう注意です。直ぐに快適な杉の植林帯の中の道となります。山道が途中で三ッ下谷側?へ左折するあたりには幾本もの ウバユリ!を見かけます。右手に堰提を見る辺り紫色の花はフサフジウツギ!か。この先分岐して左は巡視路か?此処から三ッ谷へ向えば近いが道は尾根へ続いているので 諦め前回と同じく右手を下って阪神高速の高架下(AM9:40)を潜って神戸電鉄谷上駅へと向います。 15分程で谷上駅の構内を通って西側に出て「山田道」の案内に従って坂道の駐車場を抜けると丸山橋を渡ります(AM10:00)。 山田道は右折ですが谷に沿って進んで見ます。3m程の滝があり左側から 超えて見ました。数m右で山田道と合流します。上部からは平凡なので山田道を辿り出ます。広河原を抜け橋跡の下部にある”石飛び”で対岸へ渡った先が三ッ下谷への道。「右・上谷上 左・下谷上」石標があり直進の山田川には2〜3mの滝が見える(AM10:10)。上谷上への道を採って対岸に移ると 笹に埋もれた細道が続きます。蜘蛛の巣を払いながら、また笹や下草に隠れた道は溝状の凹部と並行しているので落込んで捻挫しないよう気をつけて歩きます。 道が大きく曲がるところに石標があり此れには 「左・山道 右・再度山、 神戸」と彫られています。
斜瀑は約17mは谷芯を・この滝前後に5〜7m滝が連続する

勿論コースを右に採れば巡視路の肩袖橋が掛かる谷に合流する。此処まで谷筋は平凡なので山道を辿ったが、これより谷に入っていきますが目前の6m程の滝を越すと山道に合流して、そのまま進みますが谷筋の登りが 急になり始めて左手を見ると大きな堰提のある二つの谷が見える。下の谷が深そうなのが三ッ下谷、上に見える堰提は二ッ下谷なので 元来た道を少し引き返し適当に谷に下り堰提を右手に捲いて登りはじめると、さらにもう一つ堰提。すっかりアルツが始まって ?? こんな処あったかナァ…3〜5m程の小滝やナメが連続して現れ両岸が狭まってくると、いよいよ核深部だ。
斜瀑布の上部にはさらに険悪な10m程の滝 落口手前から左へ捲いた


5m程の滝は右下のかぶり気味のところから 斜め左へとルートを追って見てから、側に寄ってみるとシュリンゲがあり此れを使って難なくクリアする。正面に現れた直瀑は水量も少なく左寄りに滝芯に沿って少しシャワーを楽しんで乗越すと前方に20m程のナメの斜瀑が現れる(AM11:00)。 水量が無いので前回ほどの迫力はないが、この谷遡行の楽しみの滝には変らない。斜瀑を抜けて谷を詰めていくが岩間を落ちる10mの滝は以前右手を捲いたような・・・しかし左側には危なっかしそうだが立木にフィックスした ロープがあるので出来るだけロープを頼らずにと落口へ向う。ロープの先に続く滝心の溝状を2〜3m登るだけだが、滝の落口に残置ハーケンが一本あるだけ。足元が不安定なうえホールドも遠いようなので一人では (私の実力では)到底無理なので諦めて左側の凹角状に立木を拾いながら捲きあがります。この滝上部からは極端に水量もなくなるが 谷を直進していくと滝もナメも無く踏み跡さえ稀な平凡な谷となり、やがて藪漕ぎ!!???前回は未だ小滝も有り下ってきた炭ヶ谷道へ出たのでコースを違えて右俣へ入ってしまったようです。そのまま登り続け藪が深くなり 前進が難しくなってくると左手の植林帯を稜線に向って進み天狗岩に続く踏み跡のある稜上に出た。天狗岩へは直ぐなので其処まで行って休むことにする(AM11:55)。 飛び出した稜線から2分程のところに展望・休憩に 最適の天狗岩に到着。此処から先は何処へも行けない行き止まり。折り返して石楠花山の山頂と展望台の中間点付近の林道に出て先ずは左折して道標に従い石楠花山山頂(2等三角点 652m PM12:20)に着きます。 展望皆無の山頂を早々に炭ヶ谷分岐の鞍部に向います。

途中烏帽子岩の 小さな表示を見て暫らくで、 これまた小さな露岩を見ます。露岩の下部へ下ってみて此れが烏帽子岩(PM12:30)なんだと思われる姿が確認できます。 少し分かり辛いが小道が下っていますので辿ってみます。 どうやら三ツ下谷方向に続いていますが下りすぎると後が大変…なので 谷上部を目指して山腹を捲き気味に進んで 谷に出ます。道など有りませんが直ぐ左の稜上に向って進むと呆気なく炭ヶ谷道に出て双子山分岐の鞍部へ5分くらいのところ(PM12:55)。双子山へは熟達向きと書かれているが昔のこと。 今はNHK放送施設の為の道が有ります。 コースに入って直ぐの高見の分岐に黄色のプレートがあり「ココは双子山山頂」と有りますが誤りです。左寄りの道を中継所まで行けば、その横手上部が最高地点、その先の施設が 少し低い双子山のもう一つのピークです。 中継施設の先で左折して登り返せば双子山最高地点到着(617m PM1:15)。山頂から先に下る巡視路は炭ヶ谷の方に下っていきますので同じ道を戻り再度石楠花山頂を経由して 今度は石楠花山展望台へ向います。 広い草原の上に点在するベンチ。 立派な?螺旋階段を登る展望台。しかし人っ子一人居ません。風は少しあり、展望台から青い海は見えないまでも黒岩尾根から摩耶山へ駆け上る稜線、高尾山〜再度山、 鍋蓋〜菊水山が目前に並んで見えます。遊歩道を下って ドライブウェーに出れば車道を横切って黄連谷への分岐です(PM2:00)。 森林植物園まで往復も、この時期でなかったら行ってみたいが今日はもう帰ります。といっても駐車場所まで結構距離がある。
斜瀑は約17mは谷芯を・この滝前後に5〜7m滝が

途中には三角錐の綺麗な山容を見せる新穂高(648m)が、その奥に摩耶山天上寺が、六甲牧場のサイロが見えます。 カワウソ池に寄って見ます。この池の西端からはハイキングコースがありマムシ谷を経由してシェール道に通じています。森林植物園日本一大きな植物園?!(108f)で開設は昭和15年。 園内は世界の樹林帯やカモシカ園・うさぎ舎(放し飼いなのであちこちに土のトンネルを作っています)が有りますが、なんといっても森林展示館のジャイアント・セコイア(樹齢2000年 直径5.4m)の輪切り株が展示されており必見です。
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