展望と岩稜の播磨アルプス(全山縦走) 豆崎奥山〜鹿嶋山⇔桶居山高御位山〜北山奥山
播磨 (五万図=高砂)
豆崎奥山〜鷹ノ巣山〜桶居山〜高御位山〜北山奥山〜太閤岩  2002年11月03日
校歌・故郷の山:加古川西高等学校 
♪想いぞ深き高御位山…♪高御位山
          播磨中学校 
♪播磨富士の嶺 背において…♪   
      別所高等学校  ♪澄みわたる朝の播磨路 桶山の…♪ 桶居山
関西百名山  高御位山 304m
ふるさと富士 播磨富士(高御位山)
播磨アルプス・鹿嶋山〜高御位山への稜線  H14.11.03

加古川バイパスを西に向かって加古川を渡ると宝殿北側の低い山並みが俄かに露岩が目立ち始めます。 東播磨の丘陵一帯には名の通り"石宝殿"があり古代より石材が切出されているところです。宝殿南や北池付近のバス停からは北方山塊の最高峰に西洋の城を思わせる白く大きく切立った露岩が見えています。目指すピークのひとつ高御位山はその目立つ美しい山容から播磨富士と呼ばれて親しまれ、元旦の初日の出登山等、よく登られている人気の山です。鹿嶋神社の大看板を見て真っ直ぐ北へ進み一願成就で有名な鹿嶋神社の 大駐車場(正月以外無料!!)から百間岩の大スラブか、鹿嶋山(鷹ノ巣山)へダイレクトに続く馬の背リッジのルートも良いのですが、今日はこの山域の全山縦走が予定です。オマケはこれまた、展望と露岩の尖峰が魅力の桶居山往復をプラスしての岩稜尾根歩き三昧の快適馬蹄形ルートです。小野アルプス新竜アルプスと並ぶ播磨三アルプスの一つです。

豆崎奥山-百間岩-鹿嶋山⇔桶居山-高御位山-小高御位山-中塚山-北山奥山-太閤岩

関西の百山、ふるさと兵庫の50山にも選ばれている人気の登山スポット・高御位山への幾つかのコースの中でも、大鳥居を潜った大駐車場から神社を参拝して豆崎奥山からの 縦走路と合流して小公園とトイレのある展望台・一枚岩のスラブの感触が楽しめる百間岩、岩尾根伝いの大パノラマが堪能出来る絶好のコ ースは電車や車での足の便も良くて
鹿嶋山(鷹ノ巣山)〜高御位山への稜線

大方の登山は此処が基点となっているようですね。私も同様のコースと竿池 (公園墓地側)から馬の背を鹿嶋山(鷹ノ巣山とも呼ばれ此方の名の方が通りが良く分かりやすそうです)の展望所へのコースを歩いたことがあります。今回はこの馬蹄形の稜線を連ねる山域だけなので、少し寄り道して桶居山へも往復します。JR曽根駅近く、国道2号線の豆崎東交差点陸橋先の集落入口(AM8:50)から全山縦走コースは始まります。 歩き始めて直ぐ一枚岩場の急斜面ですがロープ等は有りません、先で現れる百間岩より少し急な程度です!。
大谷山付近からの百間岩と鹿嶋山(鷹ノ巣山)

此処周辺の山々は高くて300mの低山ですが、殆んど全コース岩稜歩きで播磨アルプスの名が示す通りで散歩気分は最高です。急登も暫らくで露岩の休憩適地からは緩やかな尾根になり豆崎奥山(大平山 3等三角点156m AM9:25)が平坦な稜線上にあります。次のピーク大谷山のコース脇の露岩に立てば馬の背コース先の鹿嶋山から高御位山への 岩稜を辿るスカイラインを隈取りすることが出来ますよ!!。此処から一気に下り始めると百間岩の様子が一望出来る。取付いて登っている人も見えるが見た目程も峻険な登りではなさそう。降り切った鞍部は鹿島神社左手の登山口から登ってくる道と中所登山口への下降点分岐に合流します(PM9:40)。「鹿島自然公園入口」で案内標識では高御位山まで80分とある。
中塚山付近からの高御位山

トイレやブランコ等簡易遊戯機の上方にコンクリートの円形 展望台があるが、 さらに百間岩と呼ばれるスラブを登って行けば此処以上の展望は必定です。小野アルプス紅山のスラブを思い出します。此れより先は多くのガイドやHPに掲載されているので詳細は割愛します。百間岩のスラブ登りは天気が良くて岩の乾いている時は実に快感です。一枚岩を登り切った送電線鉄塔のピークからは今から辿る岩稜の快適アルプスの散歩道が見渡せて、稜線の先には鹿嶋山(以前は鷹ノ巣山が通名だったが?!!)が本場の鹿島岳そのままの双耳峰の姿で聳え立ちます。遠くに緩やかなスロープを見せて高御位山の山頂や桶居山の尖峰が見えています。
焼けた立木の先に桶居山


鞍部から急な岩場を登り返し鹿嶋山(鷹ノ巣山4等三角点 点名:地徳 264m AM10:05)西峰着く。三角点からの展望は無いが、その先の展望露岩からは馬の背ルートで公園墓地へ下りられる。先ほどから聞こえていた「 パン、パーン」と 周囲を震わせて響き渡る銃声が、この辺りから急に大きくなってきたようだ。三角点を過ぎ双耳峰の鹿嶋山東峰を降り初めて直ぐ分岐(AM10:10)を左折して向う桶居山への稜線北側の山麓にはクレー射撃場がある為、ズットこの音に悩まされ続けながらの行程ですが、特異な山容を岩尾根の先に覗かせている桶居山の姿が感情を和らげてくれます。分岐から北へと桶居山のルートに入ると急に登山者の姿は途絶えますが踏み跡は明瞭に続きます。 展望も良いのですが一旦枝尾根と枝尾根を繋ぐ鞍部というより谷間へ下って上登り返すことになります。雑木の谷間を抜けて北側の稜線に取り付くと関電の巡視路があって道幅も広くなり、
高御位山山頂の磐坐

急坂にはプラ階段もあります。 以前はこの送電線鉄塔沿いに、一つ先の尾根を採ったが今は道標もある手前の尾根道が先の送電線鉄塔に繋がっています。周囲には潅木さえ殆んど無い裸尾根です。其れもそのはず黒く焼けた炭の木々が痛々しく目立つ山火事跡の 山域からはいよいよ近くなってきた桶居山が三角錐の頭をもたげて、私の到着を待っていてくれます。いよいよ鞍部から最期の登りだが、見上げるばかりの東斜面の急な岩場の直登は百間岩の比では有いのですが意外と安定した 岩場は何処からでも登れます・・・(^^;ひょっこり平坦地に出てくると先は降るだけ。桶居(おけすえ)(3等三角点 248m AM11:10)山頂に到着です。
天之御柱.高御位山山頂の磐坐

宮本武蔵が天狗に兵法を習ったとの伝説が残る頂上からの展望を独占して 楽しむには贅沢すぎるかな。西へ降り続ける尾根の端に25m程の岩場が見えているが7〜8名のクライマーが集まっています。倍率の低い玩具の双眼鏡では動作が殆んど分からないのでザックに戻して主稜線の分岐へ引き返して高御位山に向います(PM12:05)。分岐から主稜線に戻り急斜面の下降もほんの暫らくで鞍部からは大きな岩盤の広い尾根が続きます。途中・市ノ池公園への下降点(PM12:10)を通過。 随所で展望を楽しみながら岩場に腰掛けて昼食休憩のグループを見かけます。長尾登山口下降点の反射板(PM12:30)は山頂に着いたと同じ雰囲気です。天之御柱天檀の立派過ぎる石碑は、 天に向ってそそり立つ目前の磐坐を御柱として崇め祀ったものだろう。
豆崎奥山・鹿嶋神社大鳥居(中央)と鹿嶋山〜高御位山

その巨大な磐坐の御柱の頭部に向かいます。流石に人気の展望の高御位山山頂(3等三角点 304m PM12:40)は登山者も多く賑やかです。 この切立つ断崖から大正10年自作のグライダーで飛び出した青年がいます。播磨灘に向って飛び出す爽快さ、私も歩くのが辛くなってきたら田舎のスカイパーク基地で パラグライダー背負って舞っているかも知れない。高御位山山頂の展望を楽しみ「飛翔」の碑から高御位神社(高御位大明神)脇に埋まる三角点を確認します。高御位大明神(自然の石を拝む所)の磐坐は大巳貴命 (おおなむちのみこと)を祀る男神・生石大神(人工の石を拝む所)は石宝殿=生石(おうしこ)神社にあって大巳貴命の化身・生石子大明神が祀ってあるので、出来ればこの後は石宝殿へも寄ってみてください。私は場所が良く分からず行けませんでしたが。山頂の御神体・キャッスルウオールのような磐坐から南尾根を採ると広い岩盤上に白ペンキで"北山⇒"と書いてあるので勝手に北山奥山へのコースかと思って磐坐直下へ下り始めたがもう一つの鹿嶋神社、 北山鹿島神社へのコースのようです。小高御位山から北山への尾根筋と登山者の姿が見えています。
小高御位山への南尾根から高御位山


頂上から東への尾 根には絵地図案内板があり「成井」「長尾」「北山」への分岐点となっているのですが、磐面に付けられた白ペンキの 「北山」指示だけを見て ダイレクトに下ってしまったのが間違い。尾根筋が見えない急斜面なので、勝手に捲きながら降りていると思ったのが間違いです。直進しても「北山」なのでややこしい標示です!!。元の分岐に戻り(PM12:55)白い矢印だけが続く岩盤の長く急な尾根を下り始めると何組もの登山者と行き交います。小高御位山を経由して中塚山から下り、 二つの鹿嶋神社を繋ぐ長尾登山コースを利用する人も多いようです。緩やかな鞍部付近から少し登り返して小高御位山(185m)のピークに立つ。此処までの間、振り返り振り返り高御位山の姿を見るが低山を感じさせない、 実に堂々と威厳をもった姿に見惚れ飽きることがない。
太閤岩・正面奥は平荘湖と飯盛山

此処からは岩場の感触も少なくなって来るが、瘠せた低潅木の尾根道なので展望は良く中塚山から高圧線鉄塔(高砂火力線No24 PM1:20)に出て 西へ降れば北山鹿島神社に出る 下山路を見送って全山縦走続行です。高砂市や加古川の市街地を眺めながら下り続ける快適な尾根歩きです。高御位山が益々雄大見え山頂の岩場が神々しくも見えてきます。 小高御位山付近まではあった 「全山縦走路」は此処で下るのか後は見かけません。尾根通しに進んで山道分岐の展望の良い南端のピークの北山奥山に着いた(183m PM1:25)。直進すれば足下に見える高砂市の阿弥陀町北山へ下るだけ。東尾根はもう一つのピークを越して先へ延びており 「宝殿⇒」の標示もあるので東尾根へと左折して下り登り返すと正面に加古川市街地や平荘湖を取り囲む丘陵、志方の城山 (中道子山城)と遮るもの無い少し平坦なピークは展望もよく、小さな案内 板が置かれています(PM1:35)。
太閤岩東のピークから高御位山〜北山奥山(左端)

米相場中継所跡」の旗振り山であったことを説明しています。 大阪・堂島の米相場を須磨の旗振山等を中継して明石から姫路へと伝えていたのでしょうか。此処は明石と姫路の中間点にあります。モールス電信・電話の発達で不要となったものです。此処には山城があったそうで城屋敷とも呼ばれるようですが!!3分程下ったところには赤錆が浮いたような露岩が山道脇にあり「太閤岩 」(PM1:38)との説明板によると「今を去る400有余年の昔天正年間に羽柴秀吉が志方城を攻めたときここに本陣をおいてこの岩に腰を下ろして采配をとったといい伝えている。今この岩の上に立つと城山は指呼の間にあり 横大路氷室原成井の砦からは遠く中道子山城、東は神吉・加古川の諸城・西は姫路まで手にとるように見わたされて軍兵を指揮するにかっこうの場所であった…(志方町誌より)」とある。此処から眺める山陽道 ・播磨灘に浮ぶ島や淡路へと拡がる景色は素晴らしく、正面に光る平荘湖を眺めていると、寒さに弱いという加古川の低徘MLメンバのS氏が迷コンビのM氏を誘ってMTBでの足慣らし訓練にあの低山を今年も利用して走るのかとホッとして思い出した!!。 私も伝説の山へ一度は立ち寄りたいと思っていているのですが。スカイラインコース前方ピークの岩上からも高御位山〜北山 〜旗振山のと縦走して来た コースを最期に眺めて急坂を一気に下って!!?集落の登山口へ降り立った。地名字名が付近捜しても見あたらなかったが兵庫県都市地図では辻!!(PM1:55)。プラ階段もある関電の巡視路の登山口には杖も用意されていますが 「鹿嶋さん」まで行って此処へ又帰ってくる人っているのか疑問に思えてきます。
滑空記念碑「飛翔」

自分の居る位置が何処か良く分からず、兎も角南へ進み石切場の見える山裾を進んで見覚えの高砂北インター出口付近の魚橋へ出て来た。 石宝殿は近いはずですが2号線バイパス沿いに阿弥陀・豆崎へと戻ってきてしまいました。「鹿嶋さん」・高御位山に見惚れて、 反対側(南側)に位置する宝殿に気が付きません。せめて生石(おうしこ)神社か石宝殿への案内標識でも有ればと思うのですが、今度は「 兵庫の山々」橋元さんHPの竜山を組めば間違いなく行けそうです(^^; またまた急いで歩いても一時間の車道歩きとなってしまいました。高御位山山頂の高御位神社奥の院南下にある記念碑「飛翔」は空の先駆者 ・渡辺信二(地元・志方町の人)の偉業を称えたもので、大正10年(1921年)21才の時、この山頂の岩場から自作のグライダーで【関西初のグライダー飛行】およそ300m程ですが滑空した場所として有名です。 大正12年・我国最初の民間水上飛行機のパイロットとなり定期航空に従事し活躍したが、大正15年(1926年)大阪から四国に向け郵便飛行の操縦中、航空機事故により神戸沖で墜落し26才の若さで殉職されました。

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