剣尾山と周辺の山を訪ねて 剣尾山〜大平山・三ノ瀬〜剣ヶ鼻
山域:大阪 北攝の山  地図(五万図=広根・園部)
T玉泉寺〜剣尾山〜山村池〜大平山〜六地蔵 2000年01月27日
U二の瀬橋剣ヶ鼻 (637m)〜剣尾山〜横尾山〜トンビカラ2002年03月10日
近畿の100山関西の100山 大阪50山 剣尾山
剣ヶ鼻手前の鉄塔から鷹爪山(山辺城)

剣尾山は大阪府環状自然歩道の西端にあり、大阪府北部の能勢町と亀岡市の境界にあって 北攝を代表する名峰として真っ先に挙げられる山で、頂上付近は巨岩・巨石が散在していて360度遮るものがない山頂の展望岩(蛙岩)で腰をおろし遠く六甲山や北側の向いには三角点の有る横尾山・深山・半国山をはじめ、 摂津山々の眺望が楽しめます。私の北攝の山・第一歩もこの剣尾山からでした。登山コースは巨岩や磨崖仏を見ながら行者堂から行者山へ出て六地蔵・月峯寺跡を経て山頂に至るルートが一般的ですね。飛鳥時代、 山上に月峰寺を開いた百済の高僧・日羅上人が護摩を焚いていると、空から不動明王の利剣が護摩壇へ降ってきたことが山名の由来と伝えられています。石積みや堂宇跡の平坦地・堂壇跡の残る剣尾山頂近くにある旧月峰寺跡は天文11年 (1542年)丹波・波多野氏の兵火により消失<天文14年焼失説もある>。寛文4年(1664年)山麓の現在地に移されたという<慶長12年(1607)片桐且元によって再興されたとも云われる>。 行者山(469m)も巨石が点在する山で奈良時代から「摂津大峰」といわれ修験道の行場として知られています。登山口から本堂へ向わず林道を直進すれば烏帽子岩・岩谷ダムを経てサワガニ広場へ出て今回の逆コースで 横尾〜剣尾へ辿れます。烏帽子岩の前には護摩壇が設けられており毎年4月13日には柴燈大護摩供が行われます。
 

T玉泉寺〜剣尾山〜山村池〜大平山〜六地蔵
 H12.1.27

能勢の野外センタから山村池北側に廻りバンガロー村に入り、谷通しに尾根に取付くつもりだが 谷寄りの道は荒れ倒木に道を塞がれ、いつのまにか道さえ消えてまたも藪漕ぎになりました。 尾根に出るとセンターの管理歩道なので整備され六甲のメインルート並み?道はセンターへとネット沿いに下る道と豊中の野外センターへ向かう尾根が分岐します。
剣尾山山頂の方位版と大平山
H14.3.10

勿論左の尾根筋を辿るが センターへの道を分けると途端に 道はあれ鹿除けネット沿いに旧坂を下ります。何処までも続くネット沿いの道です。登山者にも見捨てられた不遇の山大平山山頂(659m)はネットの内側ですので立ち木を利用して越えます。切り開きの山頂だが剣尾山だけが目立ち 展望良好は言いがたしです。先の分岐へ引き返しセンターへの道を辿る管理道は「立ち入り禁止」とあるが今の季節なので、そのまま下り第五・六キャンプ場へ出てきた。



U二の瀬橋〜三ノ瀬〜剣ヶ鼻〜剣尾山〜横尾山〜トンビカラ   H14.3.10

午前中は丹州街道・妙見街道沿いの山城鷹爪城/森上城・今西城/栗栖城を巡り、 青少年野外センタへ向う林道の出発地点・二ノ瀬橋に戻ってきたのですが時間の余裕もあり未知のルートで剣尾山へ向います。 二ノ瀬橋(AM11:55)からは朝と同じく城山(山辺城・鷹爪城)へ辿った山辺集落へ抜ける道を採って峠へ向かいます。剣尾山から剣ヶ鼻〜三ノ瀬を経て南東尾根がこの峠へ延びています。古い地図にはこの峠とライフル射撃場の中間辺りから 破線が剣尾山へ続いていますがこのルートの取り付き点も前回の城山から此方へ藪を下ってきて判っていました。
剣尾山(旧月峰寺)不動明王像

今朝も確認しておいた峠から取り付きます(AM12:05)。コンクリの配水管が埋まる谷筋の溝の奥に境界ポールが見え、谷筋から境界ポールのある尾根に這い上がってみると踏み跡が続いています。 雑木藪とも植林ともつかない荒れた樹林の中・薄い踏み跡を辿って進みます。時々は見失う境界ポールを追って藪道を進むが、あまり倒木に悩まされることも無く、恐らくは今のゴールデン時間帯だと喧騒の中の剣尾山頂付近とは隔世の、 静寂の尾根歩きです。雑木藪の中で途切れ途切れに現われる境界ポールを頼りに東へ寄りやすい広い尾根を修正しながら辿り、点名:三ノ瀬(4等三角点 509m PM12:30)に着く。展望の無い平坦な雑木林の中の三角点からは剣ヶ鼻に向って、 しっかりした山道が現われ前方に赤いテープさえ認められます。
どうやらこれは地図の破線ルートで尾根に出て此処を往復して剣尾山へ向っているようです。緩やかな降り道の前には木々が伐採され岩が点在する鉄塔の建つ稜線が見え 期待感を煽ります。鉄塔のある稜線上へは張り巡らされているネットを越えなければなりません。厄介だなと思っていたが側によると倒された木々にネットが引っ掛けてあるだけなので外して潜って又引っ掛け直しておきます。 鉄塔(No179)のある切り開きの尾根に出ると一気に展望が拡がり低山ながら富士型の端整な城山 や三草山が見えます(AM12:45本ページTOP写真参照)。伐採尾根の上部の潅木帯に入ると途端に巨岩がゴロゴロの岩尾根となります。此処を剣ヶ鼻とした方がビッタシの感じで、広く平らな展望岩もあり休憩適地です。ひとり大平山が目立つだけ、 身体を投げ出せば少し剣尾の山頂付近が見えるのだが。
剣尾山・蛙岩から横尾山を望む

巨岩を縫ってしばらく続く快適な尾根道は巡視路なので左手へ下降していきます。又も藪っぽい踏み跡探しで斜面に取り付きますが、この辺りは雑木藪に囲まれ展望こそ無いが足下は又も巨岩累々の場所が現われます。展望さえ恵まれれば 剣尾山頂に引けを取りません。こんな場所を通過して登りついたピーク剣ヶ鼻(637m PM13:00)には剣尾山が少しの間展望できる以外に 余り感慨を覚えません。程なくして雑木の平坦地に出てくると、その中央付近の立ち木に 「第4キャンプ場」と記したプレートが打ち付けてある(PM13:05)。今時こんな、水も展望もない藪の平地でキャンプする利用者はいるんだろうかと思うが、ここから下るササで覆われた道は良く踏まれているようだ。 直ぐに下り切って野外活動センター管理事務所から上ってくる整備された階段の登山道に飛び出した。No28アザミ「いのしし街道」分岐の15m程下のところ。しかし刈り込みでもなければ、笹薮に覆い隠された「第4キャンプ場 」への道を探し 出せる人は居るだろうかと思うほど。道なりに進めば不動尊像を浮き彫りした「日月岩」に着く(PM13:23)。「赤水」<閼伽井の水の意と思う>石組み井戸を経て杉林のような旧月峰寺堂宇跡の広い平坦地を登りきると行者山〜六地蔵から 登って来るコースに合流して直ぐ旧月峯寺本堂跡に着く。左手には多くの石塔・石仏群が、右手には石組みの台地がいく段か現われるが顕著な広い台地に柱台や檀の跡を示す平らな石が点在しています。
剣尾山(旧月峰寺本堂跡)

明るい尾根道に階段と笹が現われると山頂は直ぐ其処です。巨岩が露出する剣尾山山頂(784m PM13:35)の人気は、 この岩と視界をさえぎるもののない360度の展望で、山頂の最大名所の蛙岩に立つと、もう一つの名物!!の大方位指示板の下方に野外センタや山村池が、前方には大平山を前景に深山・金山・半国山や大野山・高岳等の眺望が楽しめる。 しかしこの顕著な岩と展望で人気の剣尾山ですが三角点は西北隣に 緩やかな頂を見せる横尾山(785m)にあります。野外センタへ降ってユズリ川沿いに駐車場へ戻れるが横尾山経由でも 2時間程度で戻れそうですので、 多くのガイドで紹介の横尾〜トンビカラを選びます。山上の岩場は多くのハイカーで占拠されているので早々に先を急ぎます。野外センタへの最短下降コースを過ぎると 次のセンタ下降分岐には大きな国界石標 (明治10年3月建立)が建てられており (PM13:45)大阪府と京都府の(摂津と丹波)国境尾根が左手の横尾山へと続きます。国境尾根を左手にとれば大平山へと続きます。緩やかに降っていきますが突然、杉の育苗の為の白いプラスチックの筒が 墓標のように境界に林立する場所が現れます。此処から反射板への登りでは密生した背の高いクマザサが覆い被さってくるトンネルで、朝露や雪の残った頃は手やシャツが濡れて辛い所でしたが今は昔の話になってきています。 西側の下草は刈られ展望も得られ歩き易い。登り切ったところには国界石標が建ち(PM13:58)、尾根の向かいには反射板があり深山が明るい草原風景を拡げています。振り返れば剣尾山が此処からだと凛々しい姿を見せてくれます。 緩やかな稜線も潅木を分けながら踏み跡を追って進んだ記憶など微塵もない明るいハイキングコースとなっています。横尾山(2等三角点785m PM14:10)からも緩斜面の降りで笹の拡がる境界尾根分岐からは急斜面の下降となり、 稜線上に岩場も現われてきます。防火ネット沿いに南に辿る尾根筋には露岩がゴロゴロ現れてきますとトンビカラ (PM14:20)の岩峰に立ちます。何時もなら一人ユックリと剣尾山を望みながら足を伸ばして休む所ですが、 人気薄と思っていた横尾山側の尾根も千客万来の盛況で、このポイントでユックリも出来ません。道なりに進むと頂上広場(林の中の小広い場所)に出てきます(PM14:28)。此処の岩は(思案岩)とでも 名付けたいような場所で、正面に進んで「能勢の郷」へ遊歩道を進むか、 急坂をサワガニ広場(PM14:38)に降って行者山・剣尾山への登山口へ出るか…道が二つに分かれています。一気に下って 「サワガニ広場」前の谷を渡れば剣尾山直下まで延びていく林道に出て岩谷ダムの蒼い湖面を見つめながら降り、 烏帽子岩(岩の正面広場には護摩壇があり毎年4月に護摩供養が行われます)を見れば、もう行者山・剣尾山登山口(PM14:45)に着きます。此処から帰れるならユックリ出来るのですが、まだ山辺神社へ出て城山(山辺城・鷹爪山 )北の林道を抜けて青少年野外センターへ通じている宿野からの道へ戻らなくてはなりません。何よりも時間がズレれば一庫から山下〜池田方面への渋滞に巻き込まれます。右折して能勢の郷か直進して玉泉寺へ向うハイカーとは分かれて 山辺への長閑な圃場の間の道を進みます。山辺神社前にある鳥居の中には城山 (山辺城)の二つのピークが収まって見えます。城山の北側を目指して峠に出る林道を探しつつ山辺集落に入って行きます。「こどもふれあい(移動)動物園」とボディに書かれた車が見え(PM15:15)、観光農園かと思えるようなカントリ風 「のせ農場」の看板も…。鶏舎の下を通り抜けると民家も途絶え、誰も居ないライフル総合射撃場施設(PM15:18)を過ぎると山間の林道が続くだけ。 登りつめた峠は今日三度目の通過点で下りきった林道出口が野外センタへ続く車道です。 車に帰り着いて(PM15:30)一息ついているとポツリときた。
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