長都羅志山〜北山〜竜ヶ岳〜鳴尾山/  西山〜方須張山〜鳴尾山
丹波市 (地図=但馬竹田・生野・福知山)
T三原〜長都羅志山〜北山〜竜ヶ岳〜鳥羽(427号線加美)・・2000年12月30日
  鳥羽から鳴尾山〜林道南奥線〜三方〜三原(中野の内尾神社お旅所)
U達身寺〜西山〜方須張山〜舟坂峠〜鳴尾山〜569m〜三原 2001年3月19日
V 西山〜方須張山(再訪)〜三方の大カツラ    2007年12月01日

干支の山:竜ヶ岳
丹波の正倉院・達身寺

一年前に此処より葛野峠〜カヤマチ山〜十九山〜水山を歩きましたが、地図に山名のあるカヤマチは二等三角点があり時々は登山者を迎えている。 登山口とした十九峯達身寺(本尊:阿弥陀如来)は行基菩薩を開山とする丹波市内でも最古級の寺院で、十九山山中に有った山岳寺院は元禄8年(1695)現在地の下ったといい、 弘法大師伝説に由来する古刹です。曹洞宗は禅師か釈尊が本尊なので、元来の宗派は天台か真言だったのでしょうか?!!。丹波の法隆寺とも呼ばれ90体に及ぶ仏像が安置されていますが、 其のうち12体が国重要文化財に指定されており、十一面観音立像3体・聖観音立像・吉祥天立像・兜跋毘沙門天立像等は貞観年間(959-877)、阿弥陀如来坐像・地蔵菩薩立像等の藤原(平安)時代のものといい、 地方に在っては珍しく隆盛を極めた大寺であった様です。仏像に特徴<達身寺様式とも呼ばれる仏像群>が有り「仏師の里」とも云われます。水山は柏原藩の直轄林で「オハヤシ」とも呼ばれているが、 何よりも端正な双耳峰で清住から望む優美な姿が登行欲をそそる山々は新幹線並みに人気の出そうなコースですが、それに比して清住谷川を挟んで対峙する西山から方須張山の尾根はローカル線で、 山仕事や猟師以外に辿る人とて無い不遇の山の様です。

Tミレニアムの登り修めは今年の干支:竜の山へ
  2000年最後は三原から知られざる長都羅志山〜北山〜竜ヶ岳へ
 H12. 12.30

氷上町三原からの尾根へはザ・サイプレス(ゴルフ場)で遮断されているため入り込めず、 内尾神社から山裾を巡りながらカタクリの里 ・清住へと車を走らせていてゴルフ場入り口先・尾根の先端付近の杉林の奥に大岩を背にして内尾神社お旅所の石碑が注連縄を囲った中にあり、車道脇に駐車します(AM10:00)。 石碑の右横に猪避けゲートがあり林道が奥に通じているようですのでゲートを開閉とて進む。林道は直ぐ墓地で行き止りだが手前の細い道が山に向っています。この道もすぐ植林の中に消えてしまうが下草のない植林で 尾根までそんなに高離もありませんので気にはなりません。尾根東端の306ピーク (AM10:20)に出ると小道が現れナンと 殆どこのまま竜ヶ岳まで薮漕ぎ不要の快適な踏み跡が続く嬉しい誤算。必死の藪漕ぎ覚悟は空振り。
西山付近から方須張山(中央上)、先鋒を見せるのはカヤマチ山か!!

尾根の木々の間からは安全山〜水山・正面には鳴尾山がピラミダルな山様を誇らしげに見せています。篠ヶ峰や東峰山〜弘浪山の稜線も望めます。やっとピークと思った山頂の3等三角点は水平尾根の西の端でした。長都羅志山(ナガズラシヤマ 444m AM10:40)静かな 明るい細い尾根道は続きますが展望には恵まれません。道なりに進んで北山(419m 4等三角点 AM11:00)辺りからは鳴尾山が妙に気になるコースです。(余裕が出てきたので竜ヶ岳から縦走を考えます)急な登りが又始まります。 地図にはない大きな岩場が現れます。足元はいつしか白いものが多くなってきます。大きな岩場は左へ巻いても通過できるが、ここは雪の岩場を登ってみます。巻いていたら分からない10数メートルの切り立った岩とわずかに隙間のある岩間があります。竜ヶ岳の龍の住家は此処かも知れません(AM11:45)。この先尾根に何ヶ所か雪を被ったオベリスクの様な 岩を見かけます。
三方の大カツラ

此処より10分程で清水坂からの主尾根に出ます。 正面に千が峰が薄化粧(マダラですが)しています。岩場に二本の丸太を渡したベンチもある休息地点ですが2〜3分も歩けば竜ヶ岳(817m AM11:55)の山頂です。山頂から鳥羽坂へは篠原の中を突っ切ってゆくようです。 見当がつかず黄色のテープを追って急な雪の斜面を下り続けてしまいます。尾根の途中に三角点があり不審に思い地図「丹波森の径」ガイドマップで調べます。ナンと地図のギリギリ切れ掛かる左端辺りに4等三角点(458.8m)を 見つけますが後の祭りです。老眼で小さな絵や文字が見づらく、 ついつい地図なし山行となってしまいますが兵庫丹波は、とりあえず丹波県民局・丹波綜合開発促進協議会で頂いた冊子を活用し重宝しています。
三方の大カツラ

この先どの辺りへ降立つか地図が切れて分かりませんが 方向は分かります。左へ向うテープを見送り右下へルートをとって「ログ竜ヶ岳」の宅地案内所へ降りてきます(PM12:35)。 杉原川を挟んで427号線と平行に鳥羽集落へ入ります。対岸の車道に「鳥羽」と「道の駅加美1km」の標識を見ます(PM12:40)。集落の中を峠に向うであろう林道を鳥羽東谷川に沿って進みますが枝道も多く右へ右へと辿ります。林道は上部で 工事中となり雨か雪解けでぬかるんだ道は足元で直ぐ下駄履き状態です。工事中林道の端からは道は有りません。そのまま道無き踏み跡もない道を枝尾根に沿って進みます。急斜な上に露岩累々の岩場になる。落石・足場・手懸かり ・登路を確かめながらの登りですが高度は稼げます。舟坂峠と鳴尾山の中間点付近の606mピークに出てきました。細い踏み跡はあります(PM1:30)。 林道途中全て右にルートを取っていたのに旧鳥羽坂(峠 )への登路は見出せなかった。鳴尾山へは逆走することになったが急な登りは先に済ませたので比較的楽だ。鳴尾山の三角点は台座の上に祀られた社殿かお堂の様に厳かに見えます(PM1:55)。
舟坂峠の子を抱く地蔵像

このまま尾根を東に辿ろうとも思いますが先で薮に突入しそうです。 少し戻って谷を挟んで南下する尾根を選びます。本当は鳥羽坂への尾根を辿るつもりでしたが踏み跡を辿っていつしか左の尾根に入っていました。もう役にも立たなくなった鹿避けネット沿いに滑り落ちそうな急降下は、先に長都羅志〜竜ヶ岳からの 遠望で想像はしていたが…舟坂峠へ延びる林道南奥線の三方南川にある大堰提へ出てきます(PM2:33)。林道の猪避けゲートを開閉して三方集落に出て直ぐ目立つ四軒の萱葺き屋根はペンションモニカ経営で、一日限定何食分かの・こだわりの 手打ち蕎麦屋さんですが、萱の葺き替え工事中のため休業中でした(PM2:50)。縦走してきた長都羅志からの尾根・安全山・東峰山〜弘浪山と 多くの山々を望みながら山裾を回って御旅所へ戻ります(PM3:15)。

葛野峠を挟んで対峙するカヤマチと方須張山は高さも山容も良く似た山です
U 西山〜方須張山〜鳴尾山縦走 H13. 03.19

前回の葛野峠〜方須張山から鳴尾山〜竜ヶ岳へはリベンジの縦走を考えていたが、 母を柏原病院に送ってからの出発でコースを軌道修正し直接方須張山の南尾根に取り付き舟坂峠を経て鳴尾山への周回コースとします。 スタートの氷上町清住集落はカタクリの花やコスモス畑、そして仏師の里として古刹・達身寺を抱えています。何時も利用させていただく達身寺の駐車場(AM10:00)から達身寺の古い石標の立つ前の橋を渡り、清住谷川の右岸に沿って 登り口を窺いながら進みます。
西山(4等三角点)

延々と鹿除けフェンスが並ぶ山麓ですが 「ほたるの家」の100m先に続く林道のゲートを開け谷沿いに尾根に取付く。453ピークとの鞍部へ微かな踏み跡を辿って登りつめ、登り返して約5分程度で西山(352m 4等三角点 AM10:30)です。訪れる人とて無く綺麗な点標石、 塵もテープも無い踏み跡は明確な山道が続きます。時々は色とりどりの薬莢を見かけます。猟の時期は要注意の山域です。木の間越に長都羅志山、東峰山、篠ヶ峰〜竜ヶ岳、目前には鳴尾山が一際目立って先鋒を空に突き出しています。カヤマチの丸みのある山頂、それに比して双耳峰の水山は優美な姿は何処へやら雄々しく 西面をそそり立たせています。615ピーク(AM10:55)へと 展望に乏しい尾根筋ですが明るい快適コースです。
方須張山山頂

木の間のスリットを通して方須張山が大きなドームを見せてくるが、まだまだ先は長かった。馬鹿尾根なのか! 此方が馬鹿なのか!次々と小さなピークを越していくが、少しずつ高度を稼いではいるが幾つものコブを越えていくと、 なだらかな尾根道が続いて赤プラポールが2本打ち込んであるだけで、三角点も露岩も、展望も無く只植林の中の平坦な尾根上のピーク方須張山 (716m AM11:35)山頂に着いた。No42の黄色ポールから右手への切り開き?を下降すると、正面にカヤマチ山が窺えます。私は道なりに北へ続く雑木のルートです。しかし此処から続くわずか7〜800mばかりですが本日の最も素晴らしいプロムナードです。 杉や松等植林の無い、コナラ、クヌギ、トチノ木、ミズナラ等の雑木林。
アンテナピーク(4等三角点 669m)から 舟坂峠へ

手付かずの自然林の中は開放感全開の散歩道。698mピークを過ぎる頃植林帯に入り終了ですが、今度は三国岳から竜ヶ岳・篠ヶ峰が姿を現わして 厭きさせません。登り詰めてテレビアンテナ塔のピーク(4等三角点 669m PM12:20)に到着です。ピークから先の道は左方向に見えるはずの鳴尾山に向わず右手の加美町の方へ下降します。もう直ぐ舟坂峠に着く筈なのに峠に続かず下方の加美町側の集落に下りて行くので予定コースに不安が残ります。確認の為元来た道を随分と引き返してしまいました。これは大きな誤算でした。今回も尾根を違えたと思ったのですが、このまま進めば、 わずか数100mで苦も無く舟坂峠に着いたものを。
方須張山〜西山尾根から水山:中央は十九山への登尾


…わざわざ引き返し又戻り、 このアンテナピークの南下方へ巻いて林道に降立ちました。三方から延びて来た郷付スーパー林道の終点付近でした。鳴尾山の先鋒は目前に見えます。前回の鳴尾山の折りに訪ねたかった舟坂峠もすぐ其処です。30分程の時間ロスです。 旧峠道は林道よりズッと下方です。アンテナピークへは余りに急登。同じ藪漕ぎならばと山腹トラバースで峠を目指します。氷上町側に桜大池が見えます。 林道はこの池の横を通って延びてきているが池の先で 郷付林道と舟坂峠への旧道が分かれているようです。辿り着いた舟坂峠には石室に祀られた珍しくも往時の様子を彷彿とさせる子安地蔵尊で、可愛い赤子を抱きかかえた優しいお顔の仏様は 三方村(氷上町)の郷人の建立となっていますが、
三方の大カツラ

峠を越える人の姿も 途絶えて手向けた花も無く、加美町からの道に比べ氷上町側は荒れたかすかな踏み跡を残す廃道です(PM1:15)。いよいよ先鋒・鳴尾山への急登の連続で昨年辿った加美町からのルートにつなげるが、こんな道だったかとスッカリ忘れてしまっている。 しかし鳴尾山山頂(753m 3等三角点 PM2:10)の傷も無く祀ってあるかのような点標が思い起こさせてくれます。わずか一握り程度の残雪を額に当てて汗をぬぐいます。山名プレートと緑のテープが三角点には残されている。山頂のテープは出来ればプレートも無い方がこの山には似合っています。さて下降路は前回は少し戻って鹿よけネット沿いに南西尾根を採ったが今回は山頂から 直接南尾根を569mピークに向けて降ることにしたが倒木に悩まされる。しかし展望は降るほどに開けてきます。稜上の茅との中に展望の露岩も現れます。
三方の大カツラ ;根本からの株立ちで:樹間は洞穴状

再びカヤマチや西面を切り落としたように見える荒々しく雄大な水山と水山に脅されて追随する桂谷や 十九山は申し訳程度に頭を出しています・振り返れば少し先鋒を和らげた鳴尾山が辿る尾根の先には長須羅志山〜竜ヶ岳 ・弘 浪山〜篠ヶ峰と多くの山々が本日最後の展望を楽しませてくれます。 569mの手前で南への長い枝尾根にのって 降り途中から東寄りに谷筋を下りきって鹿除けゲートを乗り越せば三方の林道南奥線に出ましたが、わずか30mも歩けば見覚えの萱葺き屋根が並ぶ、レストラン「バイエルン」だった(PM3:00)。三方から中を経て達身寺の駐車場には PM3:25に到着しました。

三方の大カツラ   丹波市氷上町三方

舟坂峠の子抱き地蔵からは葛野(かどの)川沿いに三方池(灌漑用貯水池)を経て長い 「郷付林道」を下ってくると、三方の大カツラ前に出てくる。既に紅葉時期はとっくに過ぎ、殆ど落葉して寒々として幹や細い枝を白々とした雲空に向けている。 カツラは日本の固有種といわれ、一科(カツラ科)・一属(カツラ属)・二種(カツラ・ヒロハカツラ)の特別樹で雌雄異株、花びらを持たないことから「生きた化石」といわれ、
三方の大カツラ:樹間は珍しい洞穴状

幹周囲12m、樹高26m・樹齢推定約300年の巨木は、丹波市の天然記念物に指定(昭和63年3月25日)されています。 幹が根元から13本に分かれた珍しい樹形で、 樹幹には人一人が潜り抜けられる空洞が有って、此の空洞を潜り抜けると人命安全・家運長久の神護あらたかと伝わり、地域の人々に神木として崇められています。

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